小学6年生が見た現実
小6の僕が目にした現実
小学校の頃は積極的だった。班分けがあれば班長になったし、
運動会の応援団長や飼育委員の委員長も勤めていた。
話は変わるが6年生の頃は手品にハマっていて、
お年玉やお小遣いで少しづつマジック道具を増やしていた。
中には難易度が高く中々上手に扱えない物もあり、手品の奥深さを感じ
もっと上達したいと思っていた。
そんなある日の事、夏休み中のイベントでマジシャンが学校に来ることになった。
マジック少年だった僕は心躍らせて興奮しながらイベントに参加した。
そのマジシャンはちんちくりんな小太りなおじさんだったが手品は上手だった。
最後に1人協力してくれと言うのでもちろん手を挙げたところ、
なんとも嬉しいことに選ばれた。
シュレッダーにかけた紙を牛乳の中に入れると、うどんに変わるという
マジックらしい。
おじさんが刻まれた紙を牛乳パックに入れる。
そしてボールに注ぐとなんとうどんなっているではないか!というよりか
夏の体育館にずっと置いていた牛乳の中にもともと混ぜられていたうどんが
刻まれた紙と共に出てきたのだ!
僕は狼狽したがマジシャンはすぐにうどんを食べた。
そして言うのだ。「食べて!」僕は躊躇した。
ちんちくりんは物凄い形相で畳み掛ける。「はやく!」
食べる。味はもちろん最悪だ。
ちんちくりんは容赦なく美味いと言えと怒鳴る様にささやく。
「美味しい…」大きな拍手から察するにマジックは成功した様だった。
家に帰りマジック道具と積極性を押入れの奥にしまった。
おわり。